2部作形式の是非を考える
近年2部作形式が流行しています。作り手にとっては、利点がありますからね。簡単にまとめてみると__
①2作同時に撮影することで、製作費をぐっと抑えられる。
②前編をヒットさせられれば、後編も少ない宣伝費である程度の興行収入を期待できる。
③これまで手を出せなかった、長編のベストセラー原作を映画化できる。(ネタ切れ回避)
流行るのも納得で、映画制作上のリスクをことごとく軽減してくれるのが、この2部作形式なんですね。
しかしながら、私は好きになれません。なぜって? ほとんどの前編が橋渡しで終わり、カタルシスがないからです。
私たちが2時間の映画を観る場合、たいてい1時間前には映画館に向かい始めます。帰りも平均30分はかかるでしょう。
つまり、1本の映画を観るために3~4時間を捻出しているのです。
にも関わらず、起承転結の結までいかない物語を見せられて、最後に「後編も観てね♪」と言わんばかりの予告編を見せられることもしばしば。
う~ん...観客の3~4時間を頂戴しているのですから、前編にも起承転結をつけて、しっかりとカタルシスを生み出す努力をしてくれませんか?
ヒーローが沢山集まるお祭り映画なら、前編でもヒーローたちの大勝利を見せましょうよ。ラストカットで地獄を見せてもいいですから。
裁判の映画なのに、前編で事件を描くだけっておかしいでしょう。
つまりね。連続ドラマではないのだから、映画館まで足を運んだ人たちをしっかりと楽しませなさい!
後編に繋げるのは、それからだ!