『宇宙からのメッセージ』愛すべきパチモン(ネタバレなし)
こんにちは、じぇれです。
1970年代、ハリウッド映画が日本で公開されるのは、なんと約1年遅れだったそうです。
そして、それを利用しちゃう悪賢い製作者もいたそうで。
ターゲットにされたのは、1977年に北米で公開されるなり大ブームを巻き起こした『スターウォーズ EP4』。
「よし、似たものを作って先に公開しちゃうぞ!」と息巻いた東映が急いでこしらえたのが、今回の課題作品です。
では、参りましょう!
《地獄の映画100本ノック その19 『宇宙からのメッセージ』》
まずは、ポスター!
ジャーン!
見たことある。このデッカいやつ(笑)
続いて、鑑賞直後の感想をどうぞ!
『宇宙からのメッセージ』
— じぇれ (@kasa919JI) 2019年4月14日
「『スター・ウォーズ』が日本で公開される前に公開しちゃえ」と急ごしらえした東映版パチモン。でも、矢島信男氏による特撮は見応え十分。深作欣二演出の”仁義”っぽさは珍妙だが、今となっては微笑ましく思える。1周回って面白い珍作!#地獄の映画100本ノック その19 pic.twitter.com/h2nI0Sytx1
『デビルマン』のように、無理矢理褒めなきゃいけないかと思っていましたが、これは愛嬌のあるパチモンでした。
何もパクっていない『デビルマン』よりも、明らかにパクっているこっちを「愛嬌ある」と言っていいのかはわかりませんが(^。^;)
実際、特撮は凄いんですよ。
本家と互角とまではいいませんが、遥かに予算が少ない中で、迫力のある戦闘シーンを生み出しています。
当時特撮の第一人者だった矢島信男氏が、深作欣二監督に遠慮せずに自由にやりまくったそうで。
息を呑むようなド派手な宇宙戦争描写は最高です!
まぁ、既視感バリバリなのが玉に瑕なんですが(笑)
では、今日はこの作品の愛くるしいポイントをまとめておきましょう!
【①特撮凄いのにロボットが......】
ベボちゃん、可愛いすぎwww
【②ベボちゃんの横にはあのスターが......】
そう、『コンバット!』で大人気のヴィック・モローなんです!
しかも、セリフは飯塚昭三さんに吹き替えられちゃってるんです。
失礼だって!(^_^)ゞ
【③三樹夫ベイダーの東映感!】
成田三樹夫さんに限った話じゃないんですけど、日本版『スターウォーズ』というよりも、宇宙版『仁義なき戦い』って感じのヤクザノリ。
しかも、そこに更に濃いものを混ぜちゃうんですよ。
【④サニー千葉!】
濃ゆいサニー臭を振りまく彼の役名は”ハンス”!
う~ん、ギリギリwww
でもって、三樹夫ベイダーvsハンス千葉の光らない剣での戦闘あり!
これがまた、こってこての影の軍団風味w
【⑤お婆さん役はなぜかおじさん俳優】
三樹夫ベイダーのお母様、大公母ダーク役は天本英世さん。
そして、ちょっとしたキーマンになるお婆さん役が三谷昇さん。
なんで、女優さんを使わないの!?(笑)
とまぁ、深作欣二監督が演出したパートはツッコミどころ満載で、とにかく愛おしくなっちゃうんです。
また、物語自体は『南総里見八犬伝』がベースとなっているので、後半はまぁまぁ盛り上がりますが、やっぱりネタ映画として楽しむのがいいでしょう。
というわけで、ぜひぜひご覧になってみてくださいね!