シナリオの迷宮 ~あるいは(無恥がもたらす予期せぬ軌跡)

脚本愛好家じぇれの思考の旅。とりとめもなく綴っていきます。

『宇宙からのメッセージ』愛すべきパチモン(ネタバレなし)

こんにちは、じぇれです。

1970年代、ハリウッド映画が日本で公開されるのは、なんと約1年遅れだったそうです。
そして、それを利用しちゃう悪賢い製作者もいたそうで。
ターゲットにされたのは、1977年に北米で公開されるなり大ブームを巻き起こした『スターウォーズ EP4』。
「よし、似たものを作って先に公開しちゃうぞ!」と息巻いた東映が急いでこしらえたのが、今回の課題作品です。

では、参りましょう!

《地獄の映画100本ノック その19 『宇宙からのメッセージ』》

まずは、ポスター!
ジャーン!

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見たことある。このデッカいやつ(笑)

続いて、鑑賞直後の感想をどうぞ!

デビルマン』のように、無理矢理褒めなきゃいけないかと思っていましたが、これは愛嬌のあるパチモンでした。

何もパクっていない『デビルマン』よりも、明らかにパクっているこっちを「愛嬌ある」と言っていいのかはわかりませんが(^。^;)

実際、特撮は凄いんですよ。
本家と互角とまではいいませんが、遥かに予算が少ない中で、迫力のある戦闘シーンを生み出しています。
当時特撮の第一人者だった矢島信男氏が、深作欣二監督に遠慮せずに自由にやりまくったそうで。
息を呑むようなド派手な宇宙戦争描写は最高です!
まぁ、既視感バリバリなのが玉に瑕なんですが(笑)

では、今日はこの作品の愛くるしいポイントをまとめておきましょう!

【①特撮凄いのにロボットが......】

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ベボちゃん、可愛いすぎwww

【②ベボちゃんの横にはあのスターが......】
そう、『コンバット!』で大人気のヴィック・モローなんです!
しかも、セリフは飯塚昭三さんに吹き替えられちゃってるんです。
失礼だって!(^_^)ゞ

【③三樹夫ベイダーの東映感!】

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成田三樹夫さんに限った話じゃないんですけど、日本版『スターウォーズ』というよりも、宇宙版『仁義なき戦い』って感じのヤクザノリ。

しかも、そこに更に濃いものを混ぜちゃうんですよ。

【④サニー千葉!】

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濃ゆいサニー臭を振りまく彼の役名は”ハンス”!
う~ん、ギリギリwww
でもって、三樹夫ベイダーvsハンス千葉の光らない剣での戦闘あり!
これがまた、こってこての影の軍団風味w

【⑤お婆さん役はなぜかおじさん俳優】
三樹夫ベイダーのお母様、大公母ダーク役は天本英世さん。
そして、ちょっとしたキーマンになるお婆さん役が三谷昇さん。
なんで、女優さんを使わないの!?(笑)

とまぁ、深作欣二監督が演出したパートはツッコミどころ満載で、とにかく愛おしくなっちゃうんです。

また、物語自体は『南総里見八犬伝』がベースとなっているので、後半はまぁまぁ盛り上がりますが、やっぱりネタ映画として楽しむのがいいでしょう。

というわけで、ぜひぜひご覧になってみてくださいね!