シナリオの迷宮 ~あるいは(無恥がもたらす予期せぬ軌跡)

脚本愛好家じぇれの思考の旅。とりとめもなく綴っていきます。

『プールサイド・デイズ』他者に認められることの大切さ(ネタバレなし)

こんにちは、じぇれです。

本日の課題作品は、ストレスフルな現代社会を生きる私たちにぴったりの作品。

《地獄の映画100本ノック その18 『プールサイド・デイズ』》

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【あらすじ】
14歳のダンカンは車中にいた。母の恋人トレントの別荘でひと夏を過ごすためだ。道中トレントはダンカンに言う。「お前は10点満点中3点だ」
居場所を見つけられないダンカンは、ある日ウォーターパークに勤めるオーウェンという自由人と出会う。これがダンカンの人生を変えていく......

では、鑑賞直後のつぶやきをどうぞ!

ストーリーの大枠は、よくあるひと夏の成長物語。
しかしながら、丁寧に少年の悩みの種を描いているので、他人事と思えないんですよね。
それでいて、ダンカンに多大な影響を与えるオーウェン絡みの描写は、完全にコメディノリ。
この軽さが、少年だけでなく、観ている私たちの心も軽くしてくれます。

脚本・監督は、アカデミー脚色賞を受賞した『ファミリー・ツリー』の脚本コンビ、ナット・ファクソン&ジム・ラッシュ。
『プールサイド・デイズ』でも、軽さと重さのバランスがお見事!

また、『プールサイド・デイズ』は俳優陣もいいんです。
小品ながら味わい深い良作を連発するフォックスサーチライトの常連が集結しているんです。
ティーブ・カレル!トニ・コレットサム・ロックウェル
中でも、いい加減なのにあったかいオーウェンを演じるサム・ロックウェルが、本作でも光っています。
それでいて全面に出すぎず、きっちりと主演の若手俳優を立てているんですねぇ。
さすが、特殊メイクなしでブッシュJr.を演じちゃう男!(笑)

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※画像は現在絶賛公開中の『バイス』より

というわけで、『プールサイド・デイズ』は、「他者から認められることの大切さ」を描いた、とてもささやかで、とても爽やかな青春映画の快作です。
タイトルを覚えておいていただいて、できれば夏の暑い日に観てください。

クライマックスも最高ですよ!
あんなに何も見えないクライマックスなんて他にないはず!
(観ていただければ、意味がわかると思います)

いやぁ、元気もらえるなぁ!