『ホワイト・ゴッド』”都合のいい犬”じゃいられない(軽いネタバレあり)
こんにちは、じぇれです。
今回の課題映画はワンちゃん映画!
101匹ワンちゃんみたいにホノボノできるといいなぁ。
最近精神的にキツいのが多かったですからねぇ。
《地獄の映画100本ノック その10 『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲(ラプソディ)』》
第67回カンヌ映画祭である視点賞&パルムドッグ賞のW受賞を果たした本作。
鑑賞直後の感想がこちら!
『ホワイト・ゴッド 犬と少女の狂詩曲』
— じぇれ (@kasa919JI) 2019年3月27日
犬と接する時、”都合のいい犬”であることを人は強いる。そんなエゴを糾弾した本作の見どころは、ズバリ犬。この子たちは脚本が読めるの? それとも、鞭でしばきながら演技をさせたの?←本末転倒(笑) 納得のパルムドッグ受賞作!#地獄の映画100本ノック その10 pic.twitter.com/dHIKeAoymZ
あれ? ホノボノどころかゾワゾワするヤツだ!
というわけで、簡単にあらすじを説明しますと__
13歳の少女リリは、両親が離婚し、心の拠り所は愛犬ハーゲンのみ。でも、雑種には税金が課せられるという条例のために、引き離されてしまい......
もう重い!(^_^)ゞ
でも、まだまだ序の口なんです。
その後、野良犬となったハーゲンは、何人もの人間のエゴによって、壮絶な人生、もとい、”犬生”に苦しめられます。
怒れしDOGハーゲンは、GODのように振る舞う人間たちに反旗を翻すことを決意。
その様がこちら!
まるで『猿の惑星』のように、虐げられてきたワンコたちが爆走する様は圧巻!
これでノーCGというのだから驚きます。
物語を分析すると2つの軸があります。
①反抗期の少女の心の変遷
②”都合のいい犬”であるよう強いられてきた犬の反乱
この2つを交差させ、深みのあるドラマにしようというのが、監督の狙いだったと思われます。
しかし、①の少女パートが少々甘く、その試みは成功したとは言い難いんじゃないかと。
逆に言えば、②の犬パートが出色の出来すぎるんですね。
ワンコたちの名演技にも支えられて、犬好きというわけではない私でも思わず感情移入してしまうほど。
序盤に”お手”や”待て”を仕込む人間を否定する描写があるのですが、撮影に際してはそれどころじゃない特訓が必要だったはずです。
犬の演技がアカデミー賞ものであるだけに、若干もやっとするところかな。
とはいえ、このワンちゃん達は処分待ちの保護されていた犬で、本作がきっかけで全員里親が見つかったそうで。
処分されなくてよかった!
とまぁ、ダラダラ書いてきましたが、「人間が”都合のいい犬”であることを強いるのはエゴだ」というテーマを、壮絶なアクションシークエンスで見せる衝撃作なのは、間違いありません。
先述の①と②の交差が決まっていれば、更に人間社会の主従関係(親子を含む)についても強烈なメッセージを発せられたはずなんですけどね。
【今日のまとめ】
ワンちゃんも
心があるんだ
忘れるな じぇれを
”犬生”も”猫生”も”魚生”も”鳥生”も、そして”我が子の人生”も、人間の気まぐれで弄んじゃいけないよ、ってお話でした。
ではでは、ワンコたちの名演技を楽しんでください!