『モンゴル野球青春記』たしかな感動がここにある(ネタバレなし)
こんにちは、じぇれです。
前回の『トールマン』を気に入り、同監督の『マーターズ』を初体験。すっかりパスカル・ロジェのダークながらも緻密な語り口に夢中になってしまっています。
やっぱり私は、画面を通して観客を殺しにかかるような映画が好きなんですよね。スプラッター表現にはあまり興味ないんですが、「観ているお前こそが悪いんだよ!」と責め立てると、心を抉られるのになぜか幸福感を感じるという。
「よし、こういうのをもっと探そう」と思ったのですが。。。
そんな中でも罰ゲームは続く!
というわけで、皆さんの推薦映画を観てblogを書く100本ノックを続けるとしましょう。
《地獄の100本ノック その6 『モンゴル野球青春記』》
「超オススメなのに誰も観てくれない」という愚痴と共に薦めていただいた本作。
大丈夫。私は観ますよ。レンタルされている限り拒否権はありませんから!(笑)
『モンゴル野球青春記』
— じぇれ (@kasa919JI) 2019年3月11日
モンゴルで野球を教えることになった元高校球児の奮闘記。様々な壁にぶつかりながら絆を強めていく様に、胸が熱くなる。『百円の恋』の監督・脚本コンビは、モンゴルの厳しい現実を実直に物語に落とし込み、単なるお涙頂戴では終わらせていない。#地獄の映画100本ノック その6 pic.twitter.com/LZuZyiob9o
お~、これは超良作!
『百円の恋』コンビ(監督:武正晴×脚本:足立紳)なので、一定のクオリティは期待していいだろうとは思っていたのですが、想像を超えてきました。
推薦してもらってよかった!
【あらすじ】
元高校球児の青年は、ひょんなことからモンゴルで野球のコーチをすることに。しかし、野球が根付いていないモンゴルでは、日本人の常識が通じない。おまけに民主主義改革による負の影響がモンゴルを蝕んでいて。それでも青年は、悩みながらも少しずつモンゴルになじんでいき......
「日本・モンゴル国交40周年記念映画」である本作は、異文化交流ものの定型を踏襲しながらも、しっかりとモンゴルの”今”を見つめようとしています。
実は原作があります。
関根淳『モンゴル野球青春記』
- 作者: 関根淳
- 出版社/メーカー: 帆風社
- 発売日: 2013/09/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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1995年からモンゴルで野球を教えた関根淳さんという方の実話なんですね。
余談ですが、劇中登場する日本代表チームは、松坂大輔投手を筆頭にすべて実名です。
(松坂投手役の俳優の投球フォームはそっくり! 当時はまだ投手だった村田修一さんも、雰囲気のよく似た俳優が使われています。野球ファンのじぇれ歓喜!)
作り手たちは、そのようなディテールの再現にも手を抜かず、関根さんが感じたであろうことを、丁寧にドラマに落とし込んでいるんですよ。
なので、しっかりと感情移入でき、ちょっぴりほろ苦い物語が心に刺さってきます。
こういう映画は、”百聞は一見にしかず”です。もしレンタル店や配信で見かけたら、是非とも観ていただきたいです。
野球に興味がない方でも問題ありません。むしろ野球を知らない方が、モンゴルの方々の心境とリンクできますしね。
というわけで、エグい物語にしか心が動かないのかなぁと思いかけていた私を、王道でしっかり感動させてくれた『モンゴル野球青春記』のレビューでした。
いいものはいいんだよ~!