シナリオの迷宮 ~あるいは(無恥がもたらす予期せぬ軌跡)

脚本愛好家じぇれの思考の旅。とりとめもなく綴っていきます。

『仮面ライダーZO』特撮技術の可能性は無限だ!(ネタバレなし)

こんばんは、じぇれです。
罰ゲーム企画として始まったこのコーナー”地獄の映画100本ノック”も、今回で3本目になります。

※ちなみに”地獄の映画 / 100本ノック”ではなく、"地獄の / 映画100本ノック”。お間違いなきよう。

今回オススメいただいたのは、良作枠。
かつて”日本のジェームズ・キャメロン”と呼ばれていた雨宮慶太監督の『仮面ライダーZO』です!

特撮映画はあまり観ない私ですが、雨宮慶太監督の『ゼイラム』にはハマった記憶が。たしか2作目は初日に舞台挨拶付き上映で観たはず。


《地獄の映画100本ノック その3 『仮面ライダーZO』》

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作品同様、感想もこの140文字に詰め込みましたので、さしてblogに書くこともないのですが、簡単にアツアツポイントを綴っていきますね。

【①特撮技術のデパート!】
監督のインタビューによれば、48分という尺が大前提だったので、敢えて様々な特撮技術を盛り込んだとのこと。
実際、その使い分けが見事で、VFXに少々飽きていた私にとっては新鮮でした。

たしかに、チープですよ。人形を抱えてライダーが走っているのは間抜けですよ。
でもね、臨機応変に適材適所で使われた特撮技術は、どれも異様さを帯びているんです。

CG技術の進化は凄まじいのですが、私はこう言いたい。

「特撮は続ける。特撮技術は滅ぼさない!」

【②原点回帰の仮面ライダー!】
仮面ライダーは哀しき存在。
望んでもいないのに改造手術を受けさせられ、人間でなくなってしまったのですから!
それをきっちりと描いているのがいいですね。
だからこそ、ラストのシンプルなセリフが名言と化し、私たち観客の心に刺さるんです。

名台詞って、レトリックに凝れば生まれるものではありません。紡がれてきたドラマに相応しい言葉のチョイスであることが大事なんです。
その意味でも、ラストのたった4文字のセリフは、なるべくして名台詞になったと言えるでしょう。

私も一緒に叫びたい。
「○○○○!」と。
※名台詞はご自身でご確認ください。

【③ヴィランの設定の素晴らしさ】
ぎゅうぎゅうに特撮やアクションを詰め込んだ本作ですが、ヴィランの設定に一ひねりあるんです。
これが実に上手い。
テーマとリンクしていて、とても美しい物語を観てきたんだなと感じさせてくれます。
切ないなぁ。

【④モンスター造型のセンス!】
これは言葉にしても伝わりません。
観て!

ちなみに、私のお気に入りは蜘蛛女。
怖いけど、惹かれるんですよねぇ。

【最後に】
とまぁ、簡単に振り返ってきましたが、魅力は伝わりましたか?

本作は、平成に作られた昭和特撮です。CGが進化していく中で、昭和特撮の方向性も維持するべきだという強い意志を感じます。
いよいよ平成も終わりますが、今一度昭和特撮の良さに注目していただけたら幸いです。
決して過去の遺物ではなく、これからも人々を魅了できる現在進行形の文化であるはずですから。

特撮に栄光あれ!